リア充代行業者を頼むのも、結構ハードルが高い

ネットニュースによれば、リア充代行業者を使ってSNSで「いいね!」を獲得する人が増えているらしい。

「あ~、今の若い人は大変だね~」
てっきり若者の話だと思ったら、どうやらそうでもないらしい。その記事では、華やかな暮らしぶりを友達に見せるために、代行業者を利用してランチ会を開催する40代女性の例を紹介していた。

その女性、リア充写真を投稿し続けるうちに、他人の幸せを見ても気にならなくなったとか。識者によれば、今後はリア充を求める中高年が増えるという。長い老後の人生を生きるのも、大変な時代らしい。

リア充を求めるのと、SNSで「いいね!」を求めるのはちょっと違うような気もするが、リア充を求める人の増加に比例して、「いいね!」を獲得するために代行業を利用する人も増えるということだろう。

ちなみに、代行業者を使ってランチ会を催そうとすると、結構な出費になる。代行業者サービスのファミリーロマンスによれば、リア充代行サービスは1人につき2時間8000円だそうだ。にぎやかな会にしたければ、最低3人は必要?それに人数分の食事代や交通費もとなれば、相当高くつく写真になる。

私はそもそも友達が少ないし、地味な暮らしで自慢できる投稿などできるはずもなく、そんなマメさも持ち合わせていないため、そういった類に一切手を出していない。したがってキラキラなSNS投稿を見る機会もほとんどないのだけれど、LINEで時折、「あ~、これ自慢したくてたまらないんだな」と分かる投稿を目にすることがある。

中学の同窓会のグループLINEは、みんなの幸せ自慢大会の場だ。自分の趣味や子どもの習い事でコンクールに入賞しただの優勝しただの、こんな大きな仕事をしただの、グループトークにいちいちご報告がある。投稿の際には、自慢と思われないようにか、一応は気を遣って「うれしかったので報告しちゃいました!」と控え目な言葉を選びながらも、その賞を獲るのがいかに難しいか、わざわざ詳細な説明が添えてあったりする。

「年1回同窓会で会うか会わないかの仲なのに、そんな報告いる??」と思いつつ、私には全く縁のない世界なので、特にイライラもしないけれど、なんだかんだみんなキラキラした自分を見せたいんだな~、と思う。スゴイって思われたいんだなぁと。

時には病気自慢?もあって、「オレ、〇〇で入院中!×日に手術します!」という報告に、「がんばって!」「祈ってるよ!」との声が続々…。通知をオンにしていると大変なことに。まぁ、病気は治るといいね、とは思うし、そこまで深刻じゃないから本人も話題にするのだろうけれど、「わざわざここで報告するかぁ?」との疑問も。

そう考えると、中高年がリア充を求めるのも、そのために代行業者を使うのも、理解できるような気がする。

私は、人に自慢できることは一つもないけれど、それなりに自分の人生に満足しているつもりだ。だが、結婚もせず、身なりもパッとせず、稼ぎもせず、華やかな場所にも行かず、他人から見たらさぞかし非リア充な人間なんだろう。けれど、見返してやろうなどとは思わない。もし私ががんばってみたところで、「必死すぎてイタイ」と笑われるのがオチだ。

私は“プライベートが充実している人ほどSNSしない”説に乗っかって、あえてSNSをしていないことで、充実ぶりをほのめかす作戦で行こうと思う。代行業者に頼んでも、人見知りだから気まずいだけで楽しい写真は撮れそうもないし、第一そんな投稿しても、見る人なんていないのだから。