オンナ同士って、正直疲れます。
私はいわゆる“負け犬”ですから、20代後半から30代前半にかけては、あらゆる人に結婚の良さを説かれ、子どもを持つ幸せを語られるのは日常茶飯事。
今はさすがに「子どもっていいよ~」とは言われなくなりましたが(出産適齢期過ぎたし)、それでも「(子どもはもうムリだろうけど)結婚はまだ諦めるのは早いよ」との励ましを頂戴する機会も多く。「したいのは山々だけど、こればっかりは相手がいないとね~」とヘラヘラと作り笑いで応じるくらいはもはや挨拶ですが、これは多分一生言われ続けるんでしょうね。
先日、友人(既婚女性、幼馴染)から、中学時代に好きだった同級生男子と飲みに行くから一緒に行こうと、飲み会のお誘い。
なぜ私に声がかかったのかと言えば、ダンナへのアリバイ工作(イエハラちゃんと飲みに行ってくるねー)、世間の目対策、そして万が一のコトがあった時のボディガード(口説かれちゃっても困るしー)とか何とか、いろいろ都合が良かったのでしょう。何より私は独身だしね(絶対来られるでしょ?ってね)。
「イエハラちゃんが行かないなら私も断るしー」なんて言いつつも、スタンプがやたらとはしゃぐLINE画面からは、彼女が行く気マンマンであることは痛いほど伝わってきて、断ったら後がコワイ…そして結局、何の集まりだか分からない奇妙な飲み会に行くハメに。
当日の彼女、普段は全然なのに手にも足にもネイルバッチリ。いつもより入念な化粧、いかにも余所行きの服装など、全身から意気込みが伝わってきた。ただ、肝心の会話になると、中途半端にいい子ぶるし、恥ずかしい話は絶対しないから、あんまり盛り上がらない。結果、私がピエロとなって話題を提供する役割となる。そうかと思えば彼女、次第に私のことを一生懸命に褒め出す。
ハイきた、彼女が私のことを褒めてきたら、マウンティング開始の合図。私のことを褒めるフリをしていい子を演じつつ、自分が褒めてもらおうという魂胆。「イエハラちゃんは自由な時間があっていいなぁー」「恋愛も自由だし!」「自分のやりたいことだけできるっていいよね~」と、いちいちトゲがある言葉でやたら羨ましがってくる。上っ面だけで全然実感こもってないけど。彼女の私への賛辞は、自分のことを褒めてもらいたいがための「フリ」なだけで、ホントは
「家事育児で大変!(でもすっごくシアワセー!)」
って言いたいだけなんですよね。
結婚、出産、持ち家、とオンナの幸せアイテムを順調に手に入れてきた彼女。子育てに新鮮味がなくなったと思ったら、今度は“仕事”というニューアイテムを手に入れて、ますますパワーアップ。「大変だけど今が人生の中で一番幸せ!!」とおっしゃるお顔は、家庭と仕事を両立している自信で光り輝きます。
そうなれば、こちらとしては「ハイハイその通りでございます」と、早々に白旗をあげるのが得策。「1人は寂しい」「自由な時間はあるけどお金ない」「孤独死もコワイ」と、自虐ネタを織り交ぜつつ、精一杯彼女を持ち上げる。すると、満面の笑みで「そんなことないよー、これからでも絶対いい人見つかるって~!」と励ましのお言葉。
っていうか、毎回このパターンなんですけど。
いい加減飽きたわ!
いい妻、いい母、いいオンナである今の自分を、昔好きだったオトコの前でこれでもかと披露し、普段カシスオレンジくらいしか飲まないのに、ちょっと大人ぶりたかったのかワイングラスを傾けていた彼女(言い方に悪意ありますね)。帰る頃には酔いが回ったのか、顔を引きつらせながら、それでも「楽しかったぁ!」と帰って行きました。
彼女と私は昔から、成績も容姿も五十歩百歩で、お互いオトコ受けもたいして良くなかったでしょうから、レベル的にはかなり底辺の争いだとは思いますが、似たり寄ったりだからこそ執拗に順位づけをしたがる生き物なんでしょうね、オンナというものは。
子どもを実家に預け、ダンナに小さなウソをつき、オシャレして、久しぶりに“昔のオトコ”に会って、“今輝いてる私!”を見せつけて。この一晩のトキメキを自宅に持ち帰って、明日からの平凡な日常のカンフル剤にするんだろうなぁ。
まぁ、気持ちは分からなくもないけど、自分のシアワセを確認するために他人をダシに使うのはヤメて欲しいわ。
…なんて言ってる私が一番悪質なマウンティング女子ですね。