植物女子、とは言いづらいけれどベランダーです

土曜日夜11時30分からのドラマ、『植物男子 ベランダー』が面白い。

都会のマンションのベランダで、植物の世話に悪戦苦闘する中年男の物語。「今さら?」と思われるでしょうが、ウチのテレビは地上波しか映らないので知らなかったのです。この番組、かつてBSプレミアムで放送されて、人気があったドラマなんですってね。

このドラマ、パイロット版と第1話を観ただけなのに、いちいち共感してしまいます。私はバツイチ独身中年男ではなく、バツもマルもゼロの独身中年女で、ウチのベランダはあんなに眺めは良くないし(でも奥行きはウチの方がある!)、行きつけはステキな花屋さんじゃなくてホームセンターの園芸コーナーだし、私は花を咲かせることにあまり興味がない(グリーン派なのです)ところなんかは主人公とは違うけど、ちょっとひねくれた物の考え方とか、植物を擬人化してしまうところとか、自意識過剰な自問自答が多いところなんかは主人公と同じ。こんなヤツ、私だけだと思っていたら、案外そうでもないみたいで、同志を得た気分です。『植物男子』というタイトルに、「男子って!オッサンやないけ!」とツッコんでしまう自分は、とても「植物女子です!」とは名乗れないけれど、「私もベランダーです」、とは胸を張って言えます。

今、マンションが大規模修繕の真っ只中。ベランダ床防水工事の期間は、ベランダの置き物は全て室内にしまわなくてはならず、屋外で育てていた鉢を無理矢理室内に置いての2週間は、ずいぶん窮屈な思いをしました(大量の植物に加えて、洗濯物も全て室内干しにしなければならなかったのです)。
まぁ、窮屈な思いをしたのは植物も同じで、日当たりは良くないわ(工事用シートのせいで日差し半減)、風通しは悪いわ(窓が開けられない)という劣悪な環境のせいで、カビが生えたり、徒長してしまったり、見るからに痛々しい状態になっていきました。私も植物たちを救うべく、アルコールスプレーをかけてみたり、照明を当ててみたり、扇風機を回したり、わずかな隙を狙って換気をしたりと環境改善に努めたものの、根本的な解決には至りませんでした。植物たちを擬人化してしまうクセが、こういう時には仇になるもので、植物たちに「暗いよ~」「苦しいよ~」「助けて~!」と言われているような気がしてしまって、こっちまで息苦しい2週間でした。

防水工事が完了してベランダ使用が解禁となり、鉢を外に出した時の解放感と言ったら、それはそれは清々しいものでした。いかにこの2週間がストレスフルな状態だったかを思い知りました。同時に、ベランダって小さな空間でありながら、都会の暮らしに自然の恵みをもたらしてくれる場所だということを、改めて実感しました。

修繕工事が完了するまで、あと2週間ほど。足場やシートが外されて、太陽の光をダイレクトに浴びる日が待ち遠しくて仕方ありません。ドラマに感化されてベランダ熱が異常に高まってしまった私は、あれこれ空想を広げながら、心置きなくベランダに出られる日を心待ちにしているところです。