あんかけパスタと雑巾臭

先日入った某あんかけパスタ屋さんでの出来事。

私の中で、あんかけパスタは名古屋めしの中でどうにも解せない存在。今でこそ広く知れ渡っているけれど、名古屋郊外の田舎に住んでいた子どもの頃は、そんな食べ物のことなど知らず、最初に食べたのは社会人になってから。上司に「ここは美味いんだぞ」と連れていってもらって食べ、お世辞にも上品とは言い難いビジュアルと、アルデンテとは対極の麺、コショウ辛い「あんかけ」に、ある意味カルチャーショックを受けた記憶がある。今はその味に慣れたとはいえ決してハマることはなく、個人的にはアレを名古屋めしとして押したくはないというか、名古屋人がみんな好きだと思われるのは納得いかないのだけれど、好きな人はホントに病みつきになる味らしい。

あまり気がすすまないのにそのお店に入ったのは、駐車場があったから。クルマで街中を移動する時はどうしても好みや気分は二の次で、クルマを停めることを最優先にしてしまう。

遅いお昼だったにも関わらず、店内はお客さんでいっぱい。しばらく外で席が空くのを待って入店すると、店内に強烈な悪臭が漂っていた。ニオイの元はテーブルを拭く布巾のようで、通されたカウンターも強烈なニオイ。除菌のCMで、よく「テーブルは雑菌だらけ」とか言ってるのを思い出す。まさに今、このカウンターにもスゴイ数の雑菌が拭き拡げられたのかと思うと食欲も減退。

フル回転のスタッフの中の一人は、新入りのパートさんのようで、リーダー格がつきっきりでトレーニングしている。指導係は若い男の子、パートさんが私と同じくらいの女性だったのだけれど、その指導ぶりが結構キツく、パートさんは緊張と焦りでオロオロしているのがわかった。ニオイだけでもキツイのに、目の前で同世代の女性がうろたえる様子を見せられて、いたたまれない気分だった。

それにしても、指導係をはじめとするスタッフは、誰も雑巾臭に気付かないのか。接客用語の一字一句を正確に言ってみせることよりも、店内を清潔に保つ方が先じゃないのか。客側からしたら、セリフの細かなチェックよりもまず、このニオイを何とかしてほしい。「っていうか指導の前にその手に持ってる布巾をキレイに洗えやっ!」と言いたかった。

もちろんそんな度胸はないので黙っていたけど、厳しい(と思われる)接客マニュアルに載ってないんだろうか、布巾の消毒法は。毎日ハイターに漬けるなり、熱湯をかけるなりすれば、あそこまでひどい悪臭を放つことはないと思う。

あんかけパスタに罪はないんだけど、頭の中であんかけパスタと雑巾臭がすっかり結びついてしまったので、私の中のあんかけパスタがさらにイメージダウン。しばらくあんかけパスタは食べなくてもいいかな。
飲食店のみなさん、まず布巾を臭わない状態にしておいてください。お願いします。