昨夜、何気なくスマホを触っていて、ふと目に飛び込んできた急上昇ワード、「独身税」に、「ハァ?さらに税金が課されるの!?」と久しぶりにワナワナ震える想いをしたアラフォーシングル、イエハラです。
発端は8月30日付の北國新聞の記事だったようです。
〈以下引用〉
子育て中の女性でつくる「かほく市ママ課」と、財務省の阿久澤孝主計官(元石川県総務部長)の意見交換会は29日、かほく市役所で開かれた。ママ課メンバーは「独身税」の創設や医療費削減に関する思いを伝えた。ママ課は市のプロジェクトの名称で、30〜40代の女性7人が参加した。メンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問したのに対し、阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。課員はこのほか、健康な高齢者が多い自治体では税負担を下げる仕組みの導入や、たばこ税増税などを提案した。
冒頭、阿久澤氏が国の財政状況や社会保障費が増える見通しを説明した。「北陸財務局キャラバン」の一環として企画された。
〈引用終わり〉
読んでみれば一地方自治体の意見交換会でメンバーの1人がそういう発言をしたよ、というだけのことで、実際に税制が変わる訳ではないことに胸を撫で下ろしつつ、やはり独り身の生きづらさを感じずにはいられませんでした。
何なんでしょう、この独り身に厳しい世の中、子持ちに優しすぎる風潮。別に好きで独身気取ってる訳でもないんですけど。結婚したいと思ってできる人ばかりじゃないし、子ども欲しいと思って産める人ばっかりじゃないんですよ!だいたい「ママ課」って何よ、ネーミングセンス悪っ!生活水準が下がる??こちとら最初っから生活水準低いんだよ、下がりようがないんだよ!
・・・失礼、つい取り乱してしまいました。日頃抑えている嫉み妬みが、つい爆発してしまいました。
頭では理解できるんですよ、子どもは社会で育てるものだって。次世代を担う人が増えてくれなければ、社会が成り立たないことも。
でもね、独身の暮らしって割高なんですよ。1人で暮らしたって、いるモノはいるし、やるコトはやらなきゃいけないんですよ。1人より2人の方が、2人より3人の方が効率がいいコトなんていっぱいあるでしょうよ。それなのに、1人だと何もやらなくてもいいぐらいに言われることや、全然お金がかからないと思われることもしばしば。
だいたい、1人だと控除とか手当なんてつかないんですよ。どこ行ったって優遇されないんですよ。既に世の中は独身に負担が重くなるようなしくみになってるんですって。ついでに言うと、母の日父の日敬老の日はあるけれど、母にも父にもなれなかった人は、誰からも感謝されないんですよ!(これは違う?)
かれこれ15年以上前、会社帰りにコンビニへ寄った時のこと。仕事が忙しく身も心もヘロヘロに疲れていたその日、「飲まなきゃやってられない!」とヤサグレた気分で、ビールやおつまみをカゴに入れていました。そんな時、偶然知り合いの家族とバッタリ遭遇。
昔バイト先で一緒だった同級生の男友達が、同じバイト先の年下の彼女と結婚(いわゆるデキちゃった婚)し、すでに小学生の子どもが2人いる、絵に描いたようなしあわせ家族の図。一方で私は、不幸を絵に描いたような疲れ顔の女。鮮やかすぎる対比。よりによってなぜこのタイミング?と神様を恨む間もなく、カゴに目をやった彼女が言い放った言葉が、今も頭から離れません。
「いいなぁ~、独身者は気楽で!」
会社で嫌なことがあり、泣きそうな気持ちで家に帰る途中(当時は実家暮らしだった)、普段はそんなことしないのに、たまたま酒を買いに寄ったコンビニで、久しぶりに会った後輩に言われた一言は、まだ独身に対する耐性が身についていなかった私に、矢のように突き刺さりました。
2人がまだ付き合う前、彼と親しくする私のことが気に入らず(あくまでも友達として接していただけですが)、やたらと張り合ってきた彼女だったので、おそらく私に対して勝利宣言的に投げ掛けただけで、特に深い意味はなかったかもしれないけれど、「独身者」「気楽」という言葉に、当時本当に傷ついたのでした。
でも今は、あの時彼女は悪意のみで言ったワケじゃないのかも?とも思えます。人間は、自分が持っているものには気付かない。当時、脳内のほとんど100%が焦りや不安、悩みで構成されていた私にとって「気楽」というワードは不本意だったけれど、彼女はもしかしたら、プレミアムなビールを何本か買える、金銭的なちょっとした余裕のことを指していたのかもしれない。もしかしたら、自分のために働き、自分のために過ごす時間のある私のことを(たとえそれが全く楽しい時間じゃなくても)、あるところでは羨ましいと思ったのかもしれない、と。そもそもそ彼女は私に会社で辛いことがあったなんていう事情、当然ですが知らないですし。まぁ、言い方は感じ悪かったんですけど。
「独身税」というワードについワナワナしたのも、瞬間的に「独身者は気楽でしょ?」って決め付けられた感じを受けたからなんだけど、まぁ私の方だって、その発言をした「ママ課メンバー」のことを一方的なイメージで決め付けてるっちゃぁ決め付けてるから、同罪かも(子を産み育てる私は社会に貢献してる、エライ!みたいな?)。そんな勘違いママばかりじゃないってことは分かってるんですけどね。
万が一独身税が課されるとしたら、こっちはおとなしく支払うしかないけれど、「独身は社会に貢献してないから払って当然」「あの人たちはお金持ってるから」とママたちに勝ち誇って言われるのだけは勘弁願いたいものです。そして、独身者が大手を振って、とは言わなくても、肩身の狭い思いをしなくてもいい、住み良い街にしていただく行政を、と願うばかりです。